もんじゅ 6/23にも炉内中継装置引抜き

もんじゅ 6/23
この時期にあえて・・・ 最悪の事態が起こらないことを祈るのみ

もんじゅ 6/23にも炉内中継装置引抜きか
炉内中継装置引抜き・復旧工事の概要について
もんじゅ 引抜き
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/monju_site/page/rcr.html
作業工程:日本原子力研究開発機構
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/monju_site/pdf/rcrgaiyou.pdf
もんじゅ 落下装置、6/23にも引き抜き-産経6.18
炉内中継装置は直径46センチ、長さ12メートル、重さ3・3トンの円筒形。昨年8月に落下し、接合部が変形したため引き抜けない状態が続いている。
23日午前9時ごろには、本体引き抜き作業に着手する。全体の作業終了は深夜
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110618/fki11061802510001-n1.htm

落下装置引き上げに工学的無理という意見も
「もんじゅ」23日午前9時ごろ、本体引き抜き作業に着手する。
[SAVE CHILD]放射能汚染から子供を守ろう
http://savechild.net/archives/3214.html

6月21日付ルモンド 今のところ成功するという保証はない。
呪われた「もんじゅ」の物語は終わらない - FRANCE MEDIA NEWS
http://www.francemedianews.com/article-77324544.html






福島第一原子力発電所 被災直後の対応状況
■Page41のPage15まで ただ今作業中
東京電力プレスリリース6月18日
"地震発生当初の福島第一原子力発電所における対応状況について"
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11061806-j.html
福島第一原子力発電所 被災直後の対応状況について(PDF 661KB)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110618l.pdf

15:27 津波第一波到達 15:35 津波第二波到達 15:42 全電源喪失

■Page 1
福島第一原子力発電所
被災直後の対応状況について
本資料は,現時点で得られている各種情報や関係者の証言を基に事実関係を取りまとめたものです。今後も事実関係の調査を継続していく中で,新たな事実が判明した場合には,改めてお知らせいたします。
○「3/11 14:46 東北地方太平洋沖地震発生。」から「15:27 津波第一波到達。」までの活動内容
【避難及び安否確認】
・ 事務本館では,避難場所である駐車場に避難するとともに,人員確認を行い,非常災害対策要員は免震重要棟へ入り,対応開始。なお,1週間程前に避難訓練を行ったばかりであり,各自が避難通路を把握している状況であった。
【通常のスクラム対応操作】
<1/2 号中央制御室>
・ 地震の揺れの収まるのを待って,運転員は通常のスクラム対応操作を開始。 当直長は,スクラムしたことを確認し,1号機と2号機のパネルの中間で指揮をとる。
各制御盤前にオペレータを配置,主任の指示に従い,状態監視と操作を実施。 主任は,プラント状態,操作状況を当直長へ報告。
・ 14:52,1号機の非常用復水器(以下,「IC」)について,自動起動したことを確認。
原子炉水位が通常水位であることから,高圧注水系(以下,「HPCI」)は原子炉水位が低下してきた際に起動することとし,ICでの原子炉圧力制御を行うこととした。
・ 15:03 頃,1号機の原子炉圧力の低下が速く,保安規定で定める原子炉冷却材温度降下率 55℃/h が遵守出来ないと判断し,ICの戻り配管隔離弁(MO-3A,3B)の閉操作実施。他の弁は開状態で,通常の待機状態とする。 その後,原子炉圧力を 6~7MPa 程度に制御するためには,ICは1系列で十分と判断,A 系にて制御することとし,戻り配管隔離弁(MO-3A)の開閉操作にて,原子炉圧力制御を開始する。
・ 2号機については,原子炉隔離時冷却系(以下,「RCIC」)を手動起動するも,原子炉水位高でトリップしたことを確認する。 (その後,再度,手動起動実施)
<3/4 号中央制御室>
・ 地震で中央制御室の中が埃で煙幕をはったように真っ白になる中,揺れが収まるのを待って,運転員は通常のスクラム対応操作を開始。当直長は,スクラムしたことの報告を受ける。外部電源喪失となり,非常用ディーゼル発電機(以下,「DG」)

■Page 2
が起動し,非常用母線が充電されたことを確認する。
・ 3号機について,RCICを手動起動し,原子炉水位高でトリップしたことを確認する。
・ 地震後,当直員の安否確認を行い,地震発生と津波について,ページングで周知を行う。
<5/6 号中央制御室>
・ 当直長は,自席でパネルを確認しながら,揺れが収まるまで身の安全を確保する。
他の運転員も,身をかがめる等身の安全を確保しながら,ラックやパネル表示に注意を払う。揺れが収まった後,ほとんどの警報が鳴り響く中,警報確認を実施。
・ ページングとITVが使用出来なかったため,PHS にて現場に対して退避を指示。
当直員は,控え室に集まってから,中央制御室に戻ってきた。
○「3/11 15:42 全交流電源喪失の判断・通報」以降の活動内容
【1/2 号中央制御室の状況】
・ 全交流電源喪失に伴い,照明,表示灯が徐々に消えていく中,警報音もなくなり,中央制御室1号側照明は非常灯のみ,2号側照明は真っ暗となる。 当直長の指示に基づき,使用出来る設備,使用できない設備の確認を実施。
・ 直流電源で操作可能な設備として,1号機について,ICとHPCIの状況を確認。ICは,弁開閉表示が確認できない状態であることを確認。制御盤でうっすらと表示灯が点灯していることを確認したが,その後消灯したため,起動不能と判断。2号機について,RCICの起動状態が不明となる。
・ 15:50 頃には,計測用電源が喪失し,原子炉水位が不明となる。
・ 中央制御室と発電所緊急時対策本部(以下,「発電所対策本部」)間の通信手段は,PHS は利用出来ず,ホットラインと固定電話のみとなる。
【3/4 号中央制御室の状況】
・ 全交流電源喪失に伴い,中央制御室の照明は非常灯のみとなる。懐中電灯を用意し,4号機は定検中で全燃料取り出し状態であったため,3号機を中心に,原子炉水位等のパラメータを確認する。
・ 全交流電源喪失時のマニュアルに従い,RCIC,HPCIのバッテリーを出来るだけ長く維持できるよう,必要のない負荷を落とす操作を行う。
・ 16:03 にRCICを手動起動し,中央制御室で吐出圧力や回転数を確認し,運転状況を監視し,HPCIの起動に備える。
【5/6 号中央制御室の状況】
・ 津波発生により,5号機の2台と6号機の2台のDGが同時に停止したのを確認。6号機の運転中の1台のDGは周波数調整を行い,運転状態を維持。

■Page 3

・ 5号機の中央制御室は照明が落ち,非常灯となったが,非常灯もだんだんと消え,真っ暗となる。6号機の照明は,通常と変わらず。
【中央制御室内計器類の復旧作業】
・ 発電所対策本部復旧班は,中央制御室内の計器類の復旧のために,必要な図面の用意,構内の企業からバッテリーやケーブルの収集を始める。収集できたものから順次中央制御室に運び込み,図面の確認を行い,1/2 号中央制御室の計器盤への接続を開始。
「非常用炉心冷却装置注水不能」事象が発生し,原子炉への注水状況を把握することが最優先だったことから,直流電源で動作する原子炉水位計から順次バッテリーを接続し,復旧作業を始める。
・ 21:19 に1号機の,21:50 に 2 号機の水位が判明。
・ 中央制御室の照明仮復旧のために,緊対本部復旧班は,小型発電機を準備・設置。 20:49,1/2 号中央制御室,21:58,3/4 号中央制御室に仮設照明が設置される。
【電源確保,復旧作業の開始】
<電源車の確保>
・ 本店配電部門から全店に対して高・低圧電源車の確保と 1F へのルートの確認を指示。
・ 全店の高・低圧電源車が福島に向け出発するが,道路被害や渋滞により思うように進めず。 また,自衛隊による高・低圧電源車の空輸を検討するも,重量オーバーにより自衛隊・米軍による空輸を断念。 東北電力へ高圧電源車を 1F に派遣依頼。
<電源設備の健全性確認の実施>
・設備の健全性確認の結果,開閉所の開閉器が落ちて使えないことから外部電源の早期の復旧は困難であり,またDGは本体等の水没により使用不可であり早期の復旧は困難であることから,電源車による電源復旧が必須と判断。
・ タービン建屋(一部はタービン建屋以外)にある電源盤(M/C,P/C)の浸水状況や外観の損傷状態等の目視点検,絶縁抵抗測定等を実施し,1,3 号機は M/C,P/C 両方が全て使用不可,2 号機は M/C は全て使用不可,P/C は一部使用可能であることを確 認(7 台中 4 台が使用可能であることが後日判明)。
<発電所員による電源車の受入準備実施>
・ SLCポンプ等の機器の動作に必要な電圧 480V を得るために,電源車を使用可能な2 号機 P/C の動力変圧器(6.9kV/480V)一次側に接続することとした。
・ 2 号機 P/C までの距離や,ケーブル敷設等の作業性を考慮して,電源車を 2 号機タービン建屋脇に配置し,タービン建屋大物搬入口から同建屋1階北側にある P/C ま

■Page 4

でケーブル約二百メートルを敷設することとした。
・ 建屋内のケーブルは,定検工事用に構内企業が保管していたものを,4t ユニック車 により搬入。
<電源車到着>
・ 3/11 深夜から 3/12 未明にかけて,東北電力電源車や当社電源車が順次到着。
・ 電源車つなぎ込みの段階では,当社の電源車を優先的に使用することとした。
<ケーブル敷設,つなぎ込み作業>
・ 建屋内のケーブルは太さ十数センチ,長さ約二百メートルで重量は 1 トン以上。 通常なら機械を使用して相当の日数をかけて敷設するものを,社員約 40名の人力にて急ピッチで敷設作業を4,5時間で実施。
・ 暗所,津波による水たまり,障害物散乱,道路マンホール蓋欠落等劣悪な作業環境のため作業は難航。
暗闇の中,敷設のための貫通部を探したり,扉を壊して敷設経路を確保するなど,作業は困難を極めた。 また,大津波警報発令が継続しており,度々の余震の発生による避難・作業中断を強いられた。
・ P/C への接続に必要なケーブルの端末処理は,それだけで数時間かかるものを,数名の技術者で実施。
・作業を進めるためには,発電所対策本部と現場で適宜報告・指示をやりとりする必要があるが,通信がほとんど使えない状態で,通信可能な場所まで移動するなど,連絡にも時間を要した。
・ 15:30 頃,使用可能な 2 号機 P/C 一次側へのケーブルつなぎ込み,並びに,高圧電源車の接続が完了,SLC ポンプ手前まで送電したが,
15:36,1号機で爆発が発生。
15:36,1号機で爆発が発生。
爆発による飛散物により敷設したケーブルが損傷,高圧電源車は自動停止。
中断し全員免震重要棟へ退避した。
【原子炉への注水状況確認】
<1号機,IC の運転状況確認,操作>
・中央制御室では,一時的に直流電源が復活したためか,戻り配管隔離弁(MO-3A),供給配管隔離弁(MO-2A)の表示ランプが点灯していることを発見,点灯状況を確認したところ,閉であったことから,18:18 開操作を実施し,表示ランプが閉から開となるのを確認した。 Of which was confirmed. 開操作実施後,蒸気発生を確認した。
・その後,18:25,戻り配管隔離弁(MO-3A)を閉とした後,21:30,戻り配管隔離弁(MO-3A)を開とし,蒸気発生を確認した。

■Page 5
<2号機,RCIC の運転状況確認,操作>
・ 3/12 未明,当直員が,運転状況について現場確認を実施。装備は,セルフエアセット,小型懐中電灯,長靴。余震が頻発して津波が発生する恐れがある中,セルフエアセットの着脱など通常にない手間がかかり,通常 10 分程度のところ現場確認で1時間弱を要した。
・ RCIC 室は,長靴にギリギリ水が入らない位の高さまで水が溜まっている状態。かすかな金属音が聞こえたものの,回転部分の確認は出来なかったため,運転状況は判断できずに中央制御室に戻る。PHS が使用出来なかったため,中央制御室に戻って状況を報告。
・ その後,2:00 頃再度確認を実施。水たまりの量が増えており,RCIC 室では運転状態を判断できず。現場にある RCIC 計器ラックで,原子炉圧力と RCIC ポンプ吐出圧力を確認し,RCIC ポンプ吐出圧力が高かったことから,RCIC は運転していると判断し,中央制御室で報告。 2:55,発電所対策本部へ報告。
以 上

■Page 6
福島第一原子力発電所1号機における地震発生から3月12日(土)までの主な時系列
本資料は,現時点で得られている各種情報や関係者の証言を基に事実関係を取りまとめたものです。今後も事実関係の調査を継続していく中で,新たな事実が判明した場合には,改めてお知らせいたします。
平成23年3月11日(金)
14:46 東北地方太平洋沖地震発生。原子炉自動スクラム。 第3非常態勢を自動発令。
14:47 主タービン自動停止,非常用ディーゼル発電機自動起動。
14:52 非常用復水器(以下,「IC」)自動起動。
15:02 原子炉未臨界確認。
15:03頃 ICによる原子炉圧力制御を行うために,手動停止。その後,ICによる原子炉圧力制御開始。
15:06 非常災害対策本部を本店に設置(地震による被害状況の把握、停電等の復旧)
15:27 津波第一波到達。
15:35 津波第二波到達。
15:37 全交流電源喪失。
15:42 原子力災害対策特別措置法(以下,「原災法」)第 10 条第1項の規定に基づく特定事象(全交流電源喪失)が発生したと判断,官庁等に通報。
15:42 15:42
第1次緊急時態勢を発令。 First issued an emergency preparedness. 緊急時対策本部を設置(非常災害対策本部との合同本部となる)。
16:36 原子炉水位が確認出来ず,注水状況が不明なため,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(非常用炉心冷却装置注水不能)が発生し たと判断,16:45 官庁等に通報。
16:36 第2次緊急時態勢を発令。
16:45 原子炉水位が確認出来たことから,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(非常用炉心冷却装置注水不能)発生の解除を判断,16:55 官庁等に通報。
17:07 再度,原子炉水位が確認出来なくなったため,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(非常用炉心冷却装置注水不能)が発生したと判断,17:12 官庁等に通報。

■Page 7
17:12 発電所長は,アクシデントマネジメント対策として設置した消火系ライン,及び消防車を使用した原子炉への注水方法の検討開始を指示。
17:30 ディーゼル駆動消火ポンプ起動(待機状態)。
18:18 ICの戻り配管隔離弁(MO-3A),供給配管隔離弁(MO-2A)の開操作実施,蒸気発生を確認。
18:25 ICの戻り配管隔離弁(MO-3A)閉操作。
20:49 中央制御室内の仮設照明が点灯。
20:50 福島県が福島第一原子力発電所から半径 2km の住民に避難指示。
21:19 原子炉水位判明,有効燃料頂部(以下,「TAF」)+200mm
21:23 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所から半径 3km 圏内の避難,半径3km~10km 圏内の屋内退避を指示。
21:30 ICの戻り配管隔離弁(MO-3A)開操作実施,蒸気発生を確認。
21:51 原子炉建屋の線量が上昇したことから、原子炉建屋への入域を禁止。
22:00 原子炉水位が TAF+550mm であることを確認,22:20 官庁等に連絡。
23:00 サーベイの結果として,タービン建屋内での放射線量の上昇(タービン1階北側二重扉前 1.2mSv/h,タービン 1 階南側二重扉前 0.5mSv/h)を 23:40 官庁等に連絡。

平成23年3月12日(土)
0:06 ドライウェル(以下,「D/W」)圧力が 600kPa abs を超えている可能性があり,格納容器ベント(以下,「ベント」)を実施する可能性があることから,準備を進めるよう発電所長指示。
0:30 国による避難住民の避難措置完了確認(双葉町及び大熊町の 3km 以内避難措置完了確認,1:45 に再度確認)
0:49 D/W 圧力が 600kPa abs を超えている可能性があることから,原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(格納容器圧力異常上昇)が発生したと判断,0:55 官庁等に通報。
1:30頃 1号機及び2号機のベントの実施について,総理大臣,経済産業大臣,原子力安全・保安院に申し入れ,了解を得る。
1:48 不具合によるディーゼル駆動消火ポンプ停止を確認。消防車から消火系ラインへの送水口につなぎこむことを検討開始。
2:47 2:30 に D/W 圧力が 840kPa abs に到達したことを官庁等に連絡。
3:06 ベント実施に関するプレス会見実施。
4:01 ベントを実施した場合の被ばく評価結果を官庁等に連絡。
4:55 発電所構内における放射線量が上昇(正門付近 0.069μSv/h(4:00) したことを確認,官庁等に連絡。

■Page 8
5:14 発電所構内における放射線量が上昇していること及び,D/W 圧力も低下傾向にあることから「外部への放射性物質の漏えい」が発生していると判断,官庁等に連絡。
5:44 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所から半径10km圏内の住民に避難指示。
5:46 原子炉内に消火系ラインから消防車による淡水注入開始。
6:33 地域の避難状況として,大熊町から都路方面へ移動を検討中であることを確認。
6:50 経済産業大臣より法令に基づくベントの実施命令(手動によるベント)。
7:11 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所に到着。
8:03 ベント操作を9時目標で行うよう発電所長指示。
8:04 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所を出発。
8:27 大熊町の一部が避難できていないとの情報を確認。
8:37 福島県へ9時頃ベントの開始に向けて準備していることを連絡。 避難が完了してからベントをすることで調整。
9:03 大熊町(熊地区)の避難完了を確認。
9:04 ベントの操作を行うため当直員が現場へ出発。
9:05 ベント実施に関するプレス発表。
9:15頃 格納容器(以下,「PCV」)ベント弁(MO 弁)を手動開。
9:30頃 圧力抑制室(以下,「S/C」)ベント弁(AO 弁)小弁の現場操作を試みるが,高線量のため断念。
9:53 ベントを実施した場合の被ばく評価結果を官庁等に連絡。
10:17 中央制御室にて S/C ベント弁(AO 弁)小弁を開操作。(計装用圧縮空気系の残圧を期待)
10:40 正門及びモニタリングポストの線量が上昇していることが確認されたことから,ベントにより放射性物質が放出された可能性が高いと判断。
11:15 線量が下がっていることから,ベントが十分効いていない可能性があることを確認。
11:39 ベント操作のために,原子炉建屋内に入域した当社社員1名の線量が100mSv を超過(106.30mSv) したことを官庁等に連絡。
14:30 S/C ベント弁(AO 弁)大弁を動作させるため,14:00 頃に仮設の空気圧縮機を設置したところ,D/W 圧力が低下していることを確認し,ベントによる「放射性物質の放出」と判断,15:18 官庁等に連絡。
14:53 消防車による原子炉への淡水注入,80 トン(累計)注入完了。
14:54 原子炉への海水注入を実施するよう発電所長指示。
15:18 ほう酸水注入系の復旧作業を進めており、準備が整い次第、ほう酸水

■Page 9
注入系ポンプを起動し、原子炉内へ注入する予定。また、今後準備が整い次第,消火系にて海水を原子炉へ注水する予定であることを官庁等に連絡。
15:36 電源車を用いた電源復旧により,原子炉へのほう酸水注入系による注水準備完了。
15:36 原子炉建屋で爆発発生。 ほう酸水注入系の電源設備や準備していた海水注入のためのホースが損傷,使用不可能。
16:27 モニタリングポストで 500μSv/h を超える線量(1,015μSv/h)を計測したことから,原災法第 15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,官庁等に通報。
18:05 経済産業大臣から法令に基づく命令があったことを本店・発電所間で共有。
18:25 内閣総理大臣が,福島第一原子力発電所から半径 20km 圏内の住民に対し避難指示。
19:04 原子炉内に消火系ラインから消防車による海水注入開始。
20:45 ほう酸を海水と混ぜて原子炉内へ注入開始。

■Page 10
福島第一原子力発電所1号機
代替注水に関する対応状況について
本資料は,現時点で得られている各種情報や関係者の証言を基に事実関係を取りまとめたものです。今後も事実関係の調査を継続していく中で,新たな事実が判明した場合には,改めてお知らせいたします。
○「3/11 16:36 非常用炉心冷却装置注水不能の判断・通報」以降の活動内容
【代替注水手段の検討】
・ 大津波警報発令の継続,余震による避難や作業の中断。照明,通信手段がなく,かつ,津波による瓦礫や土砂等の打ち上げによる環境下での作業を強いられた。
・ 17:12,アクシデントマネジメント(以下,「AM」)対策として設置された代替注水手段(消火系(以下,「FP」),復水補給水系,格納容器冷却系)及び中越沖地震の教訓として設置した防火水槽を用いた消防車の使用について検討を開始する。
・ 中央制御室では,代替注水手段の確認のためにAM操作手順書を当直長席に出し,原子炉への代替注水ラインを確認し,ディーゼル駆動消火ポンプの使用を進めた。
・ 原子炉への注水について,ディーゼル駆動消火ポンプを用い,FP ラインより炉心スプレイ系を経由した代替注水ラインを構成するために,暗闇の中,原子炉建屋にて炉心スプレイ系などの弁を手動で開け,原子炉圧力の減圧後(0.69MPa 以下)に注水が可能な状態とした。
・ 17:30,ディーゼル駆動消火ポンプ起動(待機状態)。
・ 発電所対策本部復旧班は,電源盤(メタクラ,パワーセンター)の水没や外観損傷の状態を確認し,絶縁抵抗測定等を実施したところ,1号機は使用不可能であり,2号機のパワーセンターの一つが使用可能であることを確認。高圧注水の可能なほう酸水注入系(以下,「SLC」)について,2号機のパワーセンターを介して電源車により電源復旧を行うよう検討を進める。
・ 中央制御室の監視計器は,電源が喪失して,指示値が確認出来ないことから, 暗闇の原子炉建屋へ入域し,原子炉圧力計にて原子炉圧力が 6.9MPa(20:07)であることを確認した。その後,21:19 に原子炉水位計が復旧し,有効燃料頂部(以下,「TAF」)+200mmであることを確認した。

■Page 11
○「3/12 1:48 消防車から消火系ラインへの送水口につなぎこむことを検討開始」以降の活動内容
【ディーゼル駆動消火ポンプの復旧】
・ 1:48,原子炉への注水のために運転状態で待機していたディーゼル駆動消火ポンプがある時点から停止しており,復旧のため,手作業で軽油を運搬し補給するとともに,構内企業で保管していたバッテリーを運搬し,交換する等の方法で復旧を試みたが,起動することができなかった。
【消防車による注水の準備】
・ 消火栓は水が噴き出しており,ろ過水を水源として使用できない状況であったため,ろ過水の確保のために周りの弁を閉める処置を実施。 また,他の水源を探し,防火水槽が使用できることを確認。
・ 消防車は発電所に配備していたもののうち1 台を利用することで準備を進めた。他の2台のうち1台は津波で故障,1台は 5/6 号機側から移動できず使用不可であった。(道路の損傷や津波のガラの影響で 5/6 号機側との通行が分断されていた)
・ 利用可能な 1 台を 1 号機近くに配置するのにも,多くの障害があった。 旧事務本館前の道路は津波で流されたタンクが道をふさいでおり通行不可。防護本部ゲートは電気が無く開けられない状況。発電所対策本部復旧班が構内の通行可能な場所を探しまわり,2~3号機の間のゲートの鍵を壊しゲートを開け,車の通行ルートを確保した。
・ 消防車については,FP ラインの送水口より,原子炉に注水するラインで送水する方法を検討するとともに消防車の追加手配や自衛隊による水輸送についても準備が進められた。
・ 2:45,原子炉圧力が 0.8MPa であることが判明した。
【SLC 系統の復旧】
・ SLC については,電源盤及びポンプが海水の影響を受けておらず,さらに原子炉への高圧注水が可能であることから、電源車による2号機のパワーセンターの電源復旧作業が進められた。


■Page 12
○「3/12 5:46 原子炉内に消火系ラインから消防車による淡水注入開始。」以降の活動内容
【淡水注入の開始・継続】
・ 車庫に待機していた消防車1台を1号機へ移動,当初は1号機側防火水槽の位置からでは吐出圧力が足りないと考え,防火水槽から汲み上げて,建屋寄りに移動し,FP の送水口から原子炉へ注水を繰り返し実施した。消防車の移動は,崩れかかった建物の下を慎重に通過するなど,往復の移動に時間がかかった。
・ 地震や津波の影響で障害物が多く,消防車の往復の移動に時間がかかることから,試行錯誤のうえ,消防車に備え付けのホースを用い,1号機防火水槽から FP の送水口間の連続注水ラインを構成し,継続注入を開始。
・ 追加手配の消防車が到着することにより,3号機側防火水槽から1号機側防火水槽へ淡水の輸送を繰り返し実施した。防火水槽はホースがひとつしか入らなかったため,淡水の補給を行う際には原子炉への注水側のホースを取り出さなければならず,その度に注水を中断しなければならなかった。
【海水注入及び SLC 注入の準備開始】
・ 防火水槽への淡水確保には限りがあることから,海水注入に向けた準備を進めた。
・ 構内道路の状態や1号機との距離などから判断し,海から直接取るのではなく,津波によって海水が溜まった3号機逆洗弁ピットを水源にする。
・ 14:53,80,000 リットル(累計)淡水注入完了。
・ 14:54,発電所長より,原子炉へ海水を注入する準備に入るよう指示1号機側の防火水槽内の淡水が無くなってきたことから,他の防火水槽等から淡水の搬送を急ぐとともに,海水注入に切り替える作業を進めた。
・ 15:30 頃,P/C 一次側への建屋内のケーブルつなぎ込み,並びに,高圧電源車の接続が完了,SLC ポンプ手前まで送電した。
・ 海水注入は,3号機逆洗弁ピットを水源(津波により貯留していた海水)として,揚程を確保するために消防車を3台直列につなぐ注水ラインが完了した。

■Page 13
・ 15:36,1号機原子炉建屋で爆発発生。
●爆発による現場退避,けが人救助・搬送を実施。(当社 3 名,協力企業 2 名)
●安全確保のため,爆発の影響調査のためのサーベイ・現場確認。(消防車などの状況,建屋の損傷状況,発煙の状況など)消防車は,窓が割れたが,機能は損傷しなかった。
●SLC ポンプは,爆発による飛散物により敷設したケーブルが損傷,高圧電源車は自動停止。
●準備していた海水注入のためのホースが損傷。
・ 現場退避,安否確認を実施し,現場の状況が確認されるまでは,復旧に着手出来ない状態であった。
・ 1号機付近は,線量の高い瓦礫が散乱していることから,放射線管理員の監視のもと,散乱した瓦礫(1号機原子炉建屋の鉄板等)を片づけ,再敷設するためのホースを屋外の消火栓からかき集めて,再敷設の作業を進めた。
・ 19:04,消火系ライン及び消防車を用いた原子炉への海水注入を開始。
以上

■Page 14
格納容器ベント操作に関する対応状況について

本資料は,現時点で得られている各種情報や関係者の証言を基に事実関係を取りまとめたものです。今後も事実関係の調査を継続していく中で,新たな事実が判明した場合には,改めてお知らせいたします。

○「3/11 16:36 非常用炉心冷却装置注水不能の判断・通報」以降の活動内容
・ 中央制御室内計器類の復旧作業が行われる中,以下の作業を実施。
【ベント実施に向けた事前準備】
・ 中央制御室では,アクシデントマネジメント(以下,「AM」)操作手順書を当直長席に出し,内容確認を実施。また,バルブチェックリストを用いて,ベントに必要な弁や,その位置の確認を開始。
・ 発電所緊急時対策本部(以下,「発電所対策本部」)発電班は,AM操作手順書を見ながら,電源がない状況におけるベント操作手順の検討を開始する。
・ 発電所対策本部復旧班は,余震が続く中,地震で入室禁止となった事務本館に,ベント操作に必要な S/C ベント弁(AO 弁)を手動で開けることが可能かどうか,弁の型式・構造を確認するために図面を取りに行くとともに,協力企業へも問い合わせを実施。図面を確認した結果,S/C ベント弁(AO 弁)小弁にハンドルがあり,手動で開けることが可能であることを確認し,中央制御室に連絡。
【現場線量上昇開始】                                  
・ 21:51,原子炉建屋の線量が上昇したことから,原子炉建屋への入域が禁止される。
・ 22:00 頃,原子炉建屋の現場で警報付きポケット線量計(以下,「APD」)がごく短時間で 0.8mSv になったことが発電所対策本部に報告される。
・ 23:00,原子炉建屋での線量上昇の影響により,タービン建屋内で放射線量が上昇(タービン1階北側二重扉前 1.2mSv/h,タービン 1 階南側二重扉前 0.5mSv/h)。
【D/W 圧力上昇確認】
・ 23:50 頃,中央制御室で発電所対策本部復旧班が,原子炉水位計に繋いでいたバッテリーを D/W 圧力計に繋ぎかえて指示値を確認したところ,600kPa abs であることを確認し,発電所対策本部へ報告。

人気の投稿